おっさんのくしゃみ

 
 おっさんのくしゃみというのは何ゆえあんなに爆音なのだろうか。電車の座席に座って本を読んでいたり、眠気を感じてウトウトしていたときに、「ゥアックシャァァン!!!」という、アナルに鉄パイプでもねじ込まれたんかいと言いたくなるようなおっさんの叫び声で、急に現実世界に引き戻されたという経験は、1度や2度ではない。恐らく皆さんもそうであろう。
 
 思うに、おっさんのくしゃみには、「発声」の要素が大き過ぎる。本来くしゃみというものは、、鼻腔などに付着したウイルスなどの異物を激しい「呼気」とともに体外に排出しようとして起こる、「呼吸器」の反応である。どう考えても、デカい声を出す意味なんて全くないのだ。
 にも関わらず、くしゃみの勢いに任せて、彼らは毎回無意味にバカでかい雄叫びを上げ続けている。さも、「くしゃみしてるんだから仕方ないでしょ」と言わんばかりに。
 
 しかしこれについては、おっさんのバカでかいくしゃみを何も言わず受け入れてきた私達にも責任があると思う。雄叫びを聞かされる私達が何も言わないから、おっさん達も、人前で普通に咳をしたり鼻をかんだりする感覚で、恥ずかしげもなく「ゥアックシャァァン!!!」を繰り返すのである。
 
 だから私達は、公共の場でおっさんがくしゃみをする度に、もっと冷たい視線を向けるべきなのだ。
 例えばもし、電車内で近くにいる人が、急に精神に異常をきたしたのか、「ギャァァフォォォブリュブリュブリュウンチブリュブリュゥゥゥ!!」などとわめき散らし始めたら、周りの人達は戸惑い、恐れおののき、精神異常者から離れ、侮蔑の眼差しを向けることであろう。
 ならば、くしゃみをするおっさんにも同じ対応をすべきなのだ。おっさんは「当然だろ」という顔で大声でくしゃみをするだろうが、その大声は本来出す必要は全くないもの。つまりそもそもおっさんは、公共の場で無意味に雄叫びを上げているキチ○イに過ぎないのだ。だから私達は、おっさんをスルーしたり、迷惑そうな表情を浮かべるだけではいけない。もっと「え……っ?」という戸惑いのニュアンスを込めた軽蔑の眼差しを向けたり、隣の女の子とヒソヒソ話をするといったリアクションを皆で取れば、流石におっさんも、「あ、あれ…俺こんなとこで何やってたんだろ…恥ずかし過ぎる!」と、自分の行いの異常性に気付くはずである。
 

 さぁ皆さんも、これからは通勤通学の電車内でどんどん実践していこう! 憎きおっさん達をいじめておしっこ漏らさせよう!