一万円札
駅のホームにて、お茶を買おうと思い、キオスクに入った。
お茶を選んでレジに持っていき、店員さんに「150円です」と言われ、財布を開いた。
小銭が10円玉以下のものしかない。さらに千円札、五千円札もない。あったのは、貫禄漂う諭吉さんが印刷された一万円札だけ。
しかたないので僕は万札をカウンターの上に置いた。
すると店員のおばさんが、びっくりするくらいそっけなく一言。
「あ、それ無理なんです。お釣り無いんで」
……。
しかたなくお茶を買わずに電車に乗り込んだ僕。
電車が駅に着いて、今度はバスに乗り込んだ。
出発。
バスが目的のバス停に近付いたとき、ハッとした僕。
(バスの両替機って千円札のやつしかないじゃん。小銭もないし。ミスった…)
バスがバス停に付いたとき、仕方ないので運転手さんに相談する僕。
僕「すみません、万札しかないんですけど…」
運「え……?(当惑の表情)」
僕「小銭もこれだけしかないんです、すみません」
運「困ったな…」
僕「…」
運「…」
僕「…」
運「…とりあえずその小銭だけでも、全部入れてもらうしかないなぁ」
僕「あ、はい、すみません」
ジャララララララ
運「普段このバス乗らないの?(暗に『何で財布の中確認してから来ないの?』と言いたげ)」
僕「あぁ、ここ地元じゃないんで、始めてです。すみません(地元の市バスも同じだから分かってたけど)」
運「そう、じゃぁね」
ブロロロロロロロ
……。
あのさぁ、常々思うんだけど、一万円札を使う人への風当たり強過ぎない?
キオスクの人、お釣り無くて販売できないなら別に文句言わないけど、もう少し申し訳なさそうにできない?
市バスの運転手さん、戸惑った表情してたけど、こんなこと絶対これが初めてじゃないでしょ? 何で小銭と千円札を持ち合わせていない人でも支払えるようになってないの? そっちがおかしいんじゃないの?
万札の使用って、そりゃレジの人の手間を増やしてしまうのは分かるけど、そんなのそっちの都合であって、支払い者は別に何も悪いことしてるわけじゃないじゃん。ごく全うな支払い方法でしょ? こんなことわざわざ確認しなくちゃいけないのがもどかしいくらいだよ。そんな全うな支払い方法が自由にできない空気なのはほんと何?
「迷惑行為をしてる身なんだから、ちょっとくらい丁重に扱われなくても文句言わないでね」みたいな対応、やめてくれませんか?
あんまり横柄な対応してくるならレジの前でダダこねながらうんこ漏らすぞ。