あるある

 
 何やら僕のツイッターのタイムライン上で『あるある』が流行り出した。いつも流行の半歩後を行く僕にはよくわからないのだけれど、ハッシュタグなんぞいうものを使って、『兵庫県あるある』『バレー部あるある』とか、お題に沿ったいわゆる『あるあるネタ』を、各々が考えて披露していく、というものらしい。皆が思い思いのローカルネタ、部活ネタなどをつぶやいたり、他者がツイートした『あるある』で自分の気に入ったものがあればリツイートをしたりと、僕のTLはまるでベルリンの壁が崩壊したかのようなフィーバーぶりで、実に楽しそうだ。

 「僕も一緒にツイッターであるあるしてフィーバーしたい!」とも思ったのだが、あいにく僕は生来、大衆の流れに安易に迎合することを良しとしない性分であるので(『ちゅうにびょう』であるともいいます)、まずはハッシュタグとは何ぞやについて調べようとキーボードを叩きかけた指の動きを封じ、思いとどまったのである。そして行き場を失った僕のフィーバー欲求の矛先を、田舎の遊園地みたいに閑散としたこのブログに向け、今まさに自身の得意分野から、ここに究極の『あるあるネタ』を繰り出さんとしているのである。温めに温めた至高の作品だ!

行くぞ!

覚悟しろ!




【下痢あるある】

・尻ふき一回目のときのうんこの付き方がすごい



以上。




 どうでもいいけれど、僕は「○○あるある」とか言いながらいわゆる『あるあるネタ』を言うのが本当はあまり好きじゃない。というか照れる。なんか「ダジャレ言います」って宣言してからダジャレ言ってるのとあまり変わらない気がして、むずがゆい気持ちになってしまうのだ。
 
 あと、本当にこれは個人的な話だけれど、僕は、「あ、それあるよ、すげぇ、俺だけじゃなかったんだ」というあの感じ、あの、今まで手が届いてなかった心のかゆい部分を、優しく引っ掻いてくれるようなあの感じがすごく好きで、「懐かしい」と思う気持ちと同じくらい好きで、だから『あるあるネタ』っていう身も蓋もないネーミングとかカテゴリーの仕方も本当は好きではないんだ。TVでよくある『懐かしのアニメ』とかを見て、「そんな押しつけがましい『懐かしさ』なんて、絶対なつかしいと思ってやんねぇ!」って思ってしまうみたいに、「あるあるだぞ!」と言われると、もうそれだけで、純粋な気持ちで「あー、あるなー」となかなか思えなくなってしまう。

 まぁそれこれも、僕の生来の『あまのじゃく』気質に拠る所なのだろうけれど(『ちゅうにびょう』、ともいいます)。