白浜

 一泊二日で和歌山の白浜に旅行に行ってきた。邪悪な光の矢を地上にギンギンと突き刺す太陽の下、2日間色々な所を巡り巡って、体中日焼けでヒリヒリ、というよりは熱があるかのように火照っている。割と本当に体がだるくてしんどい。でも良い旅行でした。


 「時系列にそってダラダラと書かれた旅行記」というものは、書いている本人が執筆中楽しいだけで、読む人にとってはほとんど面白みのないものであると思うので、特に印象的だったポイントを箇条書きで書いていきたいと思います。


白浜駅からバスで15分くらいの所にある、「遊びながらエネルギーの大切さを学べる」というコンセプトのテーマパーク、『白浜エネルギーランド』に行った。トリックアート展やアスレチック広場など、施設のコンセプトに合っているのか果たしてきわどいアトラクションがたくさんあった。施設全体に、田舎のうらぶれたインチキテーマパークの臭いが漂っていて、それが逆に面白かった。『ミドリムシ展』というアトラクションに至っては、6畳ほどのスペースの個室の壁面に、全て合わせてもウィキペディアの1記事に収まりそうな、「ミドリムシに関する豆知識」的なものを記載したプレート5枚ほどを貼り付けただけ、という始末で、高校の文化祭におけるやる気がないクラスの展示物を彷彿させた。「化石発掘体験・500円」みたいに、チマチマと色々な所で追加料金を取ろうとする姿勢も面白かった。ちなみに施設自体の入場料が1800円(高くないですか?)。でも良い思い出になった。

●三段壁という観光名所に行った。火サスのクライマックスに出てくる崖のような場所。眼下の海を眺めているだけで、自分のようなちっぽけな人間など簡単に飲み込まれてしまいそうな壮大な景観にうっとりしていたが、ふと、腰を下ろしていた岩肌に目をやると、自分の尻のすぐ脇で2、3の大きなフナ虫が仲良く地を這っているのを見つけ、僕は美しい景色を名残惜しむこともせず早足でその場を後にした。

●2日目には、かの有名なアドベンチャーワールドに行った。動物園と水族館と遊園地が一緒になったみたいな所。ここってこんなでっかいテーマパークだったんだね。知らなかった。入口はいってすぐの休憩所にいるレッサーパンダがかわいくて何回も見に行った。レッサーパンダ1匹のせいで休憩所の中全体がすごく臭かったけどかわいかったのでよかった。名物の白黒パンダは5頭くらいいたけどみんな眠りっぱなしで、周りに散らばりまくっていた緑がかったうんこのでかさの方が印象的だった。楽しかったです。

●帰りの特急でゲロゲロに酔って2回吐いた。僕は以前から、新幹線とか特急電車のイスの背もたれの、全体的に長くて、首の所が反って前に出ている仕様がすごく苦手である。もたれた時に頭部だけが前に押し出されて、背中と後頭部全体に快適な形で体重を預けることができなくて気分が悪くなる。僕だけだろうか。


 2発のゲロで締めくくってしまった白浜旅行だけど、全体的に本当に楽しかった。
 旅行は良いですね。見たことのないものを見れるし、自分の小さな悩みなどに関係なくバッチリ存在し続けている大きな世界がこんなにも広がっているのかと実感して、気持ちも少し軽くなります。社会人になってお金を稼いだらもっと色々な所へ行こう。